【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
憧れの人に会えて皆嬉しそうで、依乃里もついつい笑顔になるほど心が弾んでいる。






そろそろ時間かな。







腕時計で時間を確認して向かった先は依乃里が憧れている明星タイムのスペース。






沢山並んだパイプ椅子はお客さんで埋め尽くされていた。





お客さんの中にはカバンなどにグッズを付けて作った痛バ、自身で描いたイラストやメッセージを書かれているパネルを持ってきている者もいる。






依乃里たちが座れたのは一番後ろの席で、後に明星が姿を写すであろうスクリーンからはかなり遠い。






「榛名ちゃん見える?」






「大丈夫です。それにしても凄いですね。さすが明星タイムさん。ここのスペースが一番お客さんでいっぱい」







「配信の時間五分前には、他のスペースにいた人もここに移って来てたからまだ増えるだろうね。それだけ愛されてるってことだね」







お客さんの数=愛されているとは限らないけど、待っている人たちの顔は常に笑顔だ。






今までの配信の中で沢山の人から信用を得て、今の明星さんがある。







だからこそ今日、この場にファンの皆が集まることができたんだ。
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