【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「先輩...!」






手の力があの時よりも強い。怒ってる…?






「別にリアちゃんだけ誘おうとしてないよ?キミも一緒にって言おうとしたんだけど、何か都合でも悪かったかな?」







「…それなら。すいません。早とちりしました」






先輩が早とちりをするなんて珍しい。







いつもは冷静に物事を考えて行動する昴先輩の長所なのに。どうしちゃったんだろう。






「先輩...?」







「心配しないで大丈夫だよ。案内してもらおうか」





心配しないでと言われてもどうしても気になる。明星さんに対してなんでそんなに怒っているんですか……。





明星は二人をさっきまで自身が配信していたスペース裏に案内した。






パソコンや専用の機材などが置いてある。






「普段はスマホだけで出来るんだけど。イベントだと規模が大きいから専用の機材で配信をしてたんだ。あそこにある専用のスーツを着てね」







センサーが組み込まれているこのスーツは動きに合わせてキャラクターが動くシステムとなっている。







体の動きだけではなく、顔の表情まで読み取ることができるので見ている相手には本当にいるように感じる。



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