【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「へぇ〜。これで動いているんだ」





さっきまで機嫌が悪かった昴も見慣れない珍しい機材に少年のような笑みを浮かべていた。







こんな裏側まで見せてくれるなんて思ってもみなかった。






ここに来る途中に会ったスタッフさんたち、私たちが来ると渋い顔してたけど、明星さんが話を通した途端に笑顔で対応してくれた。







イベントを開催するまで、明星さんがスタッフさんたちと深い信頼関係を築いてきたことがすぐに理解できた。






見た目からみて、歳は噂通り私と近い。






もし同じなら信頼関係を築くのに相当苦労しただろう。






「次行こうか。回っていないところでみたいのある?」







「あと回っていない場所は…。私が行きたいところは全部回りましたね。昴先輩…あれ?先輩がいない」







さっきまでそこにいたのに。御手洗に行ったのかな?それなら一言言ってほしかった。






「リアちゃんって彼と付き合ってるの?」






「えっ!?いえ、違います!先輩と私はそんな関係じゃ…」






そういう関係にはなりたいけど。






まだまだ気持ちが届かないでいるわけでその…。
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