【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「今日はごめんね榛名ちゃん」






「いえ。私も薬を家に置いてきたのが悪いので。先輩が謝ることないですよ。そばにいたの、寝ている時も分かってました。嬉しかったです。先輩が離さないでいてくれて」








「離したらキミを見捨てるのと同じだから。俺はそれだけはしたくなかった…。ゆっくり休んで。家に着くまでこうしててあげるから」







自分の肩を枕代わりして寝るように言うと、依乃里はその言葉を信じて再び目を閉じ、眠りについた。






今だけは気持ちが届いている。それでも先輩は私が好きと言っても応えてくれないだろう。






だから今だけでも先輩にできる限り甘えたい。
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