【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「彼とはどう?」




「彼?八雲くんのことですか?」





「うん。付き合っているみたいな噂聞いたけど、本当なの...?」





噂、先輩の耳にも入ってたんだ。




SNSだと誤解を解くのは難しいから先輩だけには真実を伝えないと。





「それは誤解です。私は八雲くんとは付き合ってません」





「そう。でも最近彼と一緒にいるよね?」






「あ、あれは八雲くんが勝手に私のそばにいるだけで。別に深い意味はありません」






何か様子が変。





いつも私と話す先輩は笑顔なのに今日は全然笑顔じゃないし、目も合わせてくれない。





「・・・・」





「先輩?」





「あ…ごめん。…ちょっと待ってて。これ片付けてくるから話はその後に」







挙動不審となっている昴は手に持っていたポスターに目を向けて話を少しそらす。






教室からリュックを持ってきて、依乃里と一緒に学校を出た。






学校を出てから一言も話さない。






やっぱりおかしい。





先輩がこんなに話さないなんて。私を避けているようにも見える。



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