【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
八雲くんも辛かったはずなのに。それでも頑張ってお母さんを支えてきたんだ。






八雲は料理が乗っている皿をテーブルに置いて、自身の手も置いて俯きながら話を続けた。





「何かを手伝ったら笑顔になって、またいつもと変わらない日常になったけど、それでも辛いことが重なったら静かに泣いてた」






前にも話してくれた。配信を始めた理由はお母さんの話を聞いて気持ちを軽くするためだって。





自分自身が辛い経験をしてきたから人の気持ちを理解できるようになった。






「八雲くんの優しさがお母さんを今まで支えてきたんだね」






「そうなのかな」






「きっとそうだよ」
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