甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
「じゃあ、家まで送るよ」
2人は帰る支度をし、ホテルを後にして、家まで車で送って貰った。
「ありがとうございました。お仕事頑張ってくださいね」
「うん、ありがとう。また連絡するからね」
「はい」
私は車を降りて、湊さんの車を見送って、家に戻った。
着替えると、体中にある赤みは、初めての夜より増えていた。
湊さんはあんなに素敵な人だ。
それに御曹司。
素敵な女性が、常に周りにいる。
この間、西条HDに行った時、特に秘書の人達は、ずば抜けて洗練された女性ばかりだった。
私以外にも、こんな赤みをつけられている人がいるのかと思うと、嫉妬が止まらない。
苦しむのは分かっていても、沼にはまったように、抜け出せない。
その時、メッセージが入った。湊さんからだ。
写真?
そこに添付された写真を見てびっくりした。
い、いつの間に!
そこに写っていたのは、私が眠っている間に、私の頬にキスしている写真だった。
『これ見て、寂しい時は俺を思い出して。俺もこれ見て仕事頑張るよ』
写真の後に、コメントが入っていた。
写っているのが、胸元から上だったのは、ホッとしたけど…
『こんな写真、誰かに見られたらどうするんですか!』
そう返信をすると、直ぐに返信が入った。
『俺、待ち受けにしようかと思ってるのに。結羽は木島さんの前で見てもいいよ』
『もー、いい加減にしてください!』
『そろそろ会議が始まるから、また連絡するよ。ゆっくりしてね』
『はい、頑張ってください』
そんなやり取りの後、しばらく写真を眺めていた。
胸がいっぱいになる。
私はどうしようもないくらい、湊さんが大好きだ。
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