甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
湊さんの汗が、私の頬に落ちてきて、思わず湊さんの頬を伝う汗を指で拭った。
「…私、幸せです」
湊さんは優しく微笑んで、更に激しく深く私を突き動かす。
「結羽と知り合って、初めての感情に気付かされるよ」
外から漏れる光が、妖艶に湊さんを映し出した。

朝、私が起きると、横に湊さんは隣に居ない。
そして、とてもいい匂いがしてきた。
「ごめん、トラブルがあったみたいで、出掛けないといけないんだ。せっかく一緒に過ごせると思ったのに」
「いえ、すみません、朝の準備も出来なくて」
「いいから、そこに座って」
テーブルの上には美味しそうな朝食が準備されていた。
何でも出来るんだ。
「そうだ、結羽の経験のために、うちに研修ってことで、1週間来てみたら。同年代の子達の姿を見るのも、刺激になると思うし」
「いえいえっ、私なんか行っても、皆さんのお仕事の邪魔になりますから」
「大丈夫だよ。孝の仕事を手伝ってくれたらいいよ。優しい奴だから」
「でも…」
「俺が会社にいることが、多い週にしよう。佐々倉社長には俺から伝えとくから」
西条HDで仕事をするなんて、そう簡単に経験出来ることではない。
「分かりました。宜しくお願いします」
実は、湊さんの傍で仕事出来る事も、凄く嬉しい!
でも、それは心に秘めたままにした。
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