甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
「大きなプロジェクトだったからね。費やした時間やお金もそうだけど、皆の熱意まで失った。それが一番辛いよ」
ため息をつき、肩を落としていた。
「湊さん…」
私は初めて、自分から湊さんを抱きしめた。
「結羽が居なかったら、心が折れていたよ」
私の背中に手を回し、そのまましばらく抱きしめ合っていた。
「ありがとう。少し落ち着いたよ」
そう言って離れた湊さんに、少し笑顔が戻った。
「今回、城重グループに情報が渡ってしまったことは、取り返しがつかない。何か違う企画を立てないとこのままでは終われない」
湊さんは、じっと一点を見つめていた。
数日間、湊さんは家に帰って来ても、疲れ果てた様子で、パソコンを眺める日々だった。
「企画、なかなか決まらないですか?」
「そうだね。結構この間の企画に総力挙げてたからね。どうしても皆、引きずってしまってるよ」
湊さんは腕を組み、目を瞑って考えていた。
「そうだ。結羽、前に俺とどんなところに泊りたいか話してた時、空想の世界だからって言いかけて、止めたことあったよね?」
言いかけて止めた話?
あっ!あの私の夢のような話か…
「えっと…あれは勝手な妄想ですから…」
私は顔が熱くなるくらい恥ずかしくて、黙っていた。
「どうしたの?出来なくてもいいんだよ。アイデアだから」
「そうじゃなくてですね…」
「話してよ」
湊さんの真剣な眼差しに負けて、話をすることにした。
「ライフスタイルに合わせた、4つのワールドが有ったらいいなって」
「4つのワールド?」
「私、のんびりと風情を味わいたくて、1人で旅行に行ったことがあるんです」
湊さんが険しい顔になった。
「本当に1人だったの?俺に嘘ついてない?」
「ほ、本当ですよ!その時、1人だけど大部屋で、あまりにも広すぎて落ち着かないし、家族連れも多くて、子供さんが廊下を走ったり、お風呂も静かに入れなかったんです」
「子供達は、それも楽しみだからね」
「でも、1人で静かな時間と生活感を感じない空間を味わいたいし、あまりに広すぎる部屋も必要無いですし」
「そうだね、確かに広々としすぎて、1人は寂しい時がある」
「後は、私の想像の世界なので…ちょっと言えないです」
「結羽、仕事だと思って話してよ」
この話の想像は、湊さんも絡んでくる。
でも仕方ない。
包み隠さず話をすることにした。
ため息をつき、肩を落としていた。
「湊さん…」
私は初めて、自分から湊さんを抱きしめた。
「結羽が居なかったら、心が折れていたよ」
私の背中に手を回し、そのまましばらく抱きしめ合っていた。
「ありがとう。少し落ち着いたよ」
そう言って離れた湊さんに、少し笑顔が戻った。
「今回、城重グループに情報が渡ってしまったことは、取り返しがつかない。何か違う企画を立てないとこのままでは終われない」
湊さんは、じっと一点を見つめていた。
数日間、湊さんは家に帰って来ても、疲れ果てた様子で、パソコンを眺める日々だった。
「企画、なかなか決まらないですか?」
「そうだね。結構この間の企画に総力挙げてたからね。どうしても皆、引きずってしまってるよ」
湊さんは腕を組み、目を瞑って考えていた。
「そうだ。結羽、前に俺とどんなところに泊りたいか話してた時、空想の世界だからって言いかけて、止めたことあったよね?」
言いかけて止めた話?
あっ!あの私の夢のような話か…
「えっと…あれは勝手な妄想ですから…」
私は顔が熱くなるくらい恥ずかしくて、黙っていた。
「どうしたの?出来なくてもいいんだよ。アイデアだから」
「そうじゃなくてですね…」
「話してよ」
湊さんの真剣な眼差しに負けて、話をすることにした。
「ライフスタイルに合わせた、4つのワールドが有ったらいいなって」
「4つのワールド?」
「私、のんびりと風情を味わいたくて、1人で旅行に行ったことがあるんです」
湊さんが険しい顔になった。
「本当に1人だったの?俺に嘘ついてない?」
「ほ、本当ですよ!その時、1人だけど大部屋で、あまりにも広すぎて落ち着かないし、家族連れも多くて、子供さんが廊下を走ったり、お風呂も静かに入れなかったんです」
「子供達は、それも楽しみだからね」
「でも、1人で静かな時間と生活感を感じない空間を味わいたいし、あまりに広すぎる部屋も必要無いですし」
「そうだね、確かに広々としすぎて、1人は寂しい時がある」
「後は、私の想像の世界なので…ちょっと言えないです」
「結羽、仕事だと思って話してよ」
この話の想像は、湊さんも絡んでくる。
でも仕方ない。
包み隠さず話をすることにした。