甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
「湊さん…あんな素敵な旅館が無くなるなんて、寂しいですね」
車に乗って、湊さんを見ると、目が活き活きとしていた。
「あの庭園の技術は素晴らしい。あの旅館を潰すなんて、勿体なさ過ぎる。今回の企画には、ホテルのメインとしての庭園、部屋に小さな時間を忘れるくらい魅入る庭園を造る」
「それじゃあ」
「あぁ、庭を造る時は来て貰おう。それと女将は人柄もいい。ホテルが出来たら住み込みでご主人と一緒に管理人として来て貰う。その間は、あの旅館は休館だ。勿論、維持費は必要だろうから、再開出来るまでの間は、うちが何とかしよう。それなら問題ないだろ?」
「はいっ!」
私は自分のことのように、嬉しくなった。
湊さんと何度か一緒に営業に回っていると、老舗旅館にも劣らないのに、継承者がいないために閉めようかと悩んでいる旅館、大型ホテルが近くに建ったため集客が落ちた旅館に出会った。
今までと同じで、参画したいけど、今の経営では難しいと残念そうに諦めていた。
「湊さん、何とかできないでしょうか。勿論、慈善事業でない事は分かってます。でも、今まで守ってきた旅館を続けるためのお手伝いをしたいんです」
私は経営のことは分からない。
でも、口コミやテレビやSNSで紹介されると見つかりやすいけど、ネット検索で見つからない素敵な旅館だってあるはずだ。
湊さんに訴えた。
「そうだね…」
湊さんは、しばらく静かに考えていた。
「正直、採算が取れるか厳しいところだ。でも、大きくても小さくても、自分達がプライドを持って守ってきたものは、残していきたいよね。それは俺も同じだよ。長期的なプランを練り直して、場所を提供出来るよう、今度の会議で提案してみるよ」
湊さんは夕陽を背に、私の頭を撫でて微笑んでいた。
「結羽、ありがとう。こんなに幸せな気持ちで、仕事出来て嬉しいよ」
私の顔は夕陽に照らされて、嬉しくて赤くなっていたことに、きっと湊さんは気づいていない。
車に乗って、湊さんを見ると、目が活き活きとしていた。
「あの庭園の技術は素晴らしい。あの旅館を潰すなんて、勿体なさ過ぎる。今回の企画には、ホテルのメインとしての庭園、部屋に小さな時間を忘れるくらい魅入る庭園を造る」
「それじゃあ」
「あぁ、庭を造る時は来て貰おう。それと女将は人柄もいい。ホテルが出来たら住み込みでご主人と一緒に管理人として来て貰う。その間は、あの旅館は休館だ。勿論、維持費は必要だろうから、再開出来るまでの間は、うちが何とかしよう。それなら問題ないだろ?」
「はいっ!」
私は自分のことのように、嬉しくなった。
湊さんと何度か一緒に営業に回っていると、老舗旅館にも劣らないのに、継承者がいないために閉めようかと悩んでいる旅館、大型ホテルが近くに建ったため集客が落ちた旅館に出会った。
今までと同じで、参画したいけど、今の経営では難しいと残念そうに諦めていた。
「湊さん、何とかできないでしょうか。勿論、慈善事業でない事は分かってます。でも、今まで守ってきた旅館を続けるためのお手伝いをしたいんです」
私は経営のことは分からない。
でも、口コミやテレビやSNSで紹介されると見つかりやすいけど、ネット検索で見つからない素敵な旅館だってあるはずだ。
湊さんに訴えた。
「そうだね…」
湊さんは、しばらく静かに考えていた。
「正直、採算が取れるか厳しいところだ。でも、大きくても小さくても、自分達がプライドを持って守ってきたものは、残していきたいよね。それは俺も同じだよ。長期的なプランを練り直して、場所を提供出来るよう、今度の会議で提案してみるよ」
湊さんは夕陽を背に、私の頭を撫でて微笑んでいた。
「結羽、ありがとう。こんなに幸せな気持ちで、仕事出来て嬉しいよ」
私の顔は夕陽に照らされて、嬉しくて赤くなっていたことに、きっと湊さんは気づいていない。