甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
年が明けて、前回以上に、企画の骨組みを急ピッチで固めた。
毎日、慌ただしく、皆んな疲れてるのに、活き活きしている。
そして、西条HDの総力を挙げて、立て直した企画は、ようやく公表出来る段階まで来た。「この宿泊施設が出来たのも、ある意味高山さんのおかげかもな」
湊さんは皮肉を言いながら、笑みを浮かべていた。
雑誌やテレビで取り上げられ、営業部の電話が鳴りっぱなしになった。
「何があったんですか?」
「自分も参画したいという企業や旅館からだよ」
「うそ…そんなに?」
そこに野木さんが近づいて来た。
「凄い反響ですね」
「嬉しいね。皆の頑張りが、次の仕事に繋がるんだから」
当初は苦戦したものの、多くの希望する声が集まり、予定していた部屋数が埋まった。
「空きが出たら、直ぐに声をかけて欲しいと予約待ちになってます」
慌ただしく、孝さんが湊さんに声をかけていた。
「運営が上手くいけば、関西や九州にも出来たらいいですね」
孝さんも次の展開に目を輝かせていた。
「そうだな。あっ、そろそろ会議始まるぞ」
湊さんは、にこやかに慌ただしく会議室に入っていった。
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