再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「明日行きたいところはある?」

「そうだね……でも、悠くんといられたら、私はどこでも楽しいよ」


その言葉に偽りはなかった。

悠くんに会えるだけで幸せな気持ちになれるんだ。


「少し遠出になるけど、水族館に行ってみる?」


水族館いいな……。

遠出ってことはもっと悠くんと長くいられるってこと?

二学期頑張れるように充電する……!


「……行きたいです」

「明日は九時前に迎えに行くね」

「うんっ」


通話を終えた後、私はクローゼットを開ける。

中に入っている服を取り出し、明日何を着ようか決めていく。

その中にあるノースリーブのシャツとフレアスカートを選んだ。

実はこの服、別の日に悠くんが選んで買ってくれたものなんだ。

悠くんが選ぶ服は、清楚で女の子らしいものが多い。

「響はこういう服が似合うよ」なんて勧めてくれるの。

それを試着して見せると、たくさん「可愛い」と言ってくれた。

身長が高めで可愛いとはほど遠いのに。

そう言ってくれるのは悠くんだけだよ。


明日の服を無事に決めると、ベッドに上がってお気に入りの猫のゆるキャラのタオルケットに包まる。

早く明日になってほしいなぁ。

眠りに落ちるまですぐだったけど、意識を手放すまでそんなこと考えていた私がいた。
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