再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません

予備校なら週に何度か通うことになるから、悠くんの自由な時間が出来るよね。

あわよくば、他校のお友達が出来たら……。

私の狭い人間関係が広がって一石二鳥? 成績が上がれば三鳥になるかもしれない。

私は今までの自分の行いを反省していた。

いくらぼっちで心細いからって、悠くんに依存していた。

どうしても会えない日を作って、少しでも自立出来るようにするんだ。

まずはどこの予備校に通うか決めなきゃいけない。

悠くん、もう少し待ってて。

私は依存気味な自分を変える為に、奮闘する決意を固めていった。





翌日の放課後、学校の最寄り駅の前で悠くんと落ち合って、悠くんのお家で過ごしていた。

心の中で謝りながら、“今日の放課後会えますか?”と誘ったら会ってくれることとなった。

悠くんの優しさに甘える私はずるいです。

今日で最後にしてこれからは誘うの控えるから許して……。

リビングで談笑している途中、私は早速切り出すことにした。


「私ね、予備校に通おうと思うんだ」


不自然じゃないよね?

志望校に受かる為に通っている人なんて沢山いる。

悠くんなら笑って応援してくれるはず。


「ごめん、今なんて言ったのかな」


しかし、悠くんの言葉は、私の予想とは違うものだった。

私を映す目は冷ややかに見えたのは、私の勘違いだろうか。


「あの、近々予備校に行こうかなって」

「そう……」


あれ? 心なしか悠くんの声が沈んでいるような気がする。


「休み明けの授業についていけなくなって……危機感を覚えたの」


これなら予備校に行く理由になるでしょう。

私は頭が悪いですって言っているようなものになってしまうけど。
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