再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「そんなに?」
悠くんから出た訝しむような声は、呆れから来たものなのか私には分かりかねた。
「うん。私馬鹿だから。今の高校によく入学出来たと思うよ」
本当は十位以内をキープしています。
私の成績を知らないのをいいことに、騙すのは心苦しい。
悠くんは無表情で私を無言で見つめていた。
気に障ったことしてしまったのかな。いつもと違って、少しだけ怖い。
気まずくて、おどおどしてしまった。
「個別か集団かは迷っているんだけど、行くようになったら今みたいに会う頻度が減るの」
「そうなんだ。でも、予備校に通うと帰り遅くなるよね。響って基本早寝だから体調崩さないか心配だよ。そうなったら本末転倒じゃない?」
確かに一理あるし、的を射ている。
私が寝不足になるとすぐ貧血気味になることは知っているから。
「確かに帰りが遅くなるね……それでも、予備校に通いたい。成績も何とかしたいし、他校の友達が出来たらいいなって不純な動機もあったりする」
悠くんは、私が危なっかしいから心配してしまうんだね。
睡眠時間が減ってしまうけど、体調を崩さないように対策も練っていくから安心してほしい。
「私が予備校に通えば、悠くんも自分の時間が出来て、お互いにとっていい距離感になると思うの」
悠くんにとってメリットしかないと思う。
私のことで骨を折らなくていいし、自由な時間が増える。