再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
強引に手伝っても邪魔になるだけだろうと、渋々リビングに戻り、引き続きテレビを見る。
夕方のニュースを見ていたけれど、大きな画面は仮装する人が沢山映っていた。
「ひっ、ゾンビメイク……っ」
途中、ゾンビメイクをした小悪魔風の格好のお姉さん二人組に切り替わり、私は小さな悲鳴を上げてしまった。
グロテスクなものに耐性のない私は、直視することが出来なかった。
七月の半ばに登校した時に、靴箱を覗いたらどこで見つけてきたのかトカゲの死骸が入れられていたことがあった。
その日は一日中気持ち悪くて、食欲はすっかり失せてしまったものだ。
ゾンビメイクはいくら特殊メイクだと頭で分かっていても、怖いものは怖い。
ニュースが終わってから、昔のドラマの再放送が始まった。
このドラマは、律くんのデビュー作のマスクライダーが終わってすぐの頃の出演作だ。
二時間くらいのホームコメディでほっこりするお話だ。
この作品ではちょい役だけど、それ以降から律くんは一気に有名になっていくんだ。
私は、ほんの少しだけ出る律くんを見逃さないように真剣に見つめていた。
ドラマに夢中になっていた私は気付かなかった。
悠くんが時折、微笑ましそうに私を見ていたなんて。