再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
私は出来上がった料理から目を離すことが出来ずにいた。
テーブルの上には、とても美味しそうなペスカトーレ、コブサラダ、鶏のクリーム煮、玉ねぎのコンソメスープが並んでいた。
「美味しそう……」
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「響の口に合うか緊張するよ。どうぞ」
「いただきます」
悠くんに促されて、私は手を合わせた後、フォークでパスタを一口食べてみた。
「美味しいよ……!」
思わずがっついてしまいたくなる美味しさだったけど、お行儀が悪くなるからゆっくりと味わっていく。
「よかった」
悠くんはそんな私を見た後、ようやく「いただきます」と言って食べ始めた。
「胃袋、掴まされちゃった」
「そこまで?」
私は大きく頷くと、スープを一口飲んだ。
ごちそうを味わった後、デザートととしていちごのショートケーキまで用意してくれた。
箱に描かれたロゴから、有名なお店のケーキと判明した。
わざわざ予約してくれたんだ……胸がいっぱいになる。
「ケーキ美味しい……」
あまりの美味しさに緩んだ表情が更に緩んでいく。
大きないちごがとても甘くて、クリームもさっぱりした風味だからいくらでも食べられてしまいそう。
「こんなに至れり尽くせりでいいの?」
私は大真面目に悠くんに尋ねてしまった。
すごく嬉しいことに変わりはないけど、私の為にここまでしてくれるなんてちょっと申し訳ないなと思ってしまう。
「誕生日だからいいんだよ」
私の発言に、悠くんは小さく吹き出した。ツボがはまってしまったのか、しばらくその笑いはとまることはなかった。