再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
悠くんの手料理を堪能して、お腹を休めた後、お風呂を借りた。

悠くんが一人暮らしするお家は、全体的に広々としている。

一人で暮らすなんて寂しくならないかな?

私が脚を伸ばしてもまだ余裕のある湯舟に浸かり、ぼんやりと天井を見つめた。

そういえば、夜はどこで寝るんだろ……。

彼女とはいえ、ベッドだとスペースが狭くなっちゃうから、お布団借りて床で寝るのかな?

もし、一緒に寝るなんてことがあったら、緊張で眠れないよ……っ。

寝起きが良くないから、迷惑をかけてしまうかもしれない。

以前、起こしに来てくれた時、柴田さんが意味が分からないことを呟いていた。

“寝起きのお嬢様を見たら、北川様は堪えられるのでしょうか”

起きてすぐの記憶にないから、何かやらかす可能性がある。

夜のことを考えたら、一気に緊張してしまう私がいた。



「お風呂、ありがとう……」

ルームウェアに着替えて、ドライヤーを借りて髪をしっかり乾かしてから悠くんがいるリビングに向かった。


「温まった?」

「う、うんっ」

頭をぽんと撫でられて、心臓が跳ね上がる。

嫌じゃないのに、むしろ嬉しいのに、緊張が顔に出てしまう。

噂上の私なら、こんな状況でも平気なのかな。


「俺も入るね。寛いでいて?」


悠くんは私を残して、リビングを後にした。



悠くんを待っている間、私はテレビでドラマを観ていた。

あまり見たことのないドラマで内容は分からないけど、緊張を紛らわせられたらとぼんやりと眺めていた。

けれど、ドラマはだんだん過激になっていって、私の緊張は余計に悪化してしまった。

だ、だって、美人の女優さんと格好いい俳優さんが抱き締め合いながらキスしているんだもんっ。

し、舌が絡み合っていたよ!

こんなキス、知らない……よ。
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