再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
限界になった私は、二人がベッドの上になだれ込むところでテレビの電源を消した。

悠くんが戻ってくるまでに真っ赤な顔を何とかしようと、スマートフォンで猫の動画を観て必死に落ち着かせた。


しばらくして、マヌルネコに沢山癒されたところで、悠くんがお風呂から戻って来た。

お風呂上がりの悠くんは長袖のTシャツとスウェットというラフな格好だった。

そんな服装でも、相変わらず格好よくて、私は見とれていた。


「これ響にプレゼント用意したんだ。良かったら受け取ってくれる?」


ぼーっと悠くんを見つめていた私の隣に座り、悠くんは包装された細長い箱を差し出した。


プレゼント!? あのごちそうがプレゼントじゃなくて?


「ありがとうっ」


私は夢見心地になってその箱をじいと見つめたままでいた。


「開けていいよ」

「うんっ、開けるね」


丁寧に包装を解いて、箱を開けると、その中にはプラチナのハートモチーフのネックレスがあった。

綺麗……っ。私に渡す為に選んでくれたの?

感動のあまり、涙腺が緩みかけてしまう私がいた。


「可愛い……」

「付けていい?」


私はこくりと小さく頷くと、悠くんはネックレスを取って、私の首に通す。


「似合う?」


鏡がないから分からないけど、可愛いアクセサリーは私に似合うかな?


「似合ってる」


不安げに尋ねた私に悠くんは肯定すると同時に、私の唇を塞いでいった。

不意打ちのキスに、私は目を丸くさせたまま固まってしまった。

唇から徐々に熱が広がっていくのを感じる。


「ごめん、衝動的にしたくなった」

「急だよ……」


いたずらっ子みたいに笑う悠くんに、口では抗議しているけど、本当は胸がときめいて仕方ない。


「でも、悠くんとするキスは、全部好き……」


恥じらいながら本音を小さく呟いた。

その時、悠くんの笑みは真剣な顔付きに変化した。
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