再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
まるで食べるように塞いだかと思えば、舌で唇を割って私の口の中に入り込んでいく。
「ん、やぁ……ふぁ」
今までとは比じゃない甘くて深いキス。
舌が私のものと絡み合うと、全身が甘く痺れて、もれる声を抑えることが出来ない。
初めての感覚に戸惑ってしまい、気付けば私は悠くんにぎゅっとしがみついていた。
しばらく続いた深いキスが終わり、解放される。
鼻呼吸する余裕がないせいで、私は何度も深呼吸を繰り返していた。
悲しくないのに涙が出てくるのはどうして?
「可愛い……」
今度は首筋に顔を埋めて、唇できつく吸われた。
微かな痛みとぞくぞくする痺れにまた声をもらしてしまう。
なんて、声を出しているの? 自分じゃない甘ったるい声を悠くんに聞かれたと思うと恥ずかしくて逃げ出してしまいたい。
不意にうっすらと瞼を開けると、悠くんと視線が重なり合った。
いつもの穏和な悠くんと違って、熱のこもった瞳を向けられると、私まで釣られて熱くなってしまう。
固まったままの私を見下ろしていた悠くんは、手を伸ばして私のルームウェアのボタンを一つ外していく。
悠くんは何をするんだろう。
息を呑んで行く末を見守っていると、急に鼻がむずむずし始めた。
「……くしゅっ」
私は咄嗟に手で口元を押さえた。
私のくしゃみで妖しい雰囲気は消え去って、熱っぽい眼差しをしていた悠くんはいつの間にかいつもの穏和な顔付きに戻っていた。
理由は分からないけど気まずい気分になってしまい、つい悠くんから目をそらしてしまった。
「寒い? 寝る前にお茶飲もうか」
悠くんはソファーから立ち上がり、キッチンへ向かっていった。