再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「んっ、ふぁ、ん……」
誕生日の夜にされた深いキスに、溺れていく。
悠くんの手が私のネクタイを緩め、シャツのボタンを二つ外す。
塞いでいた唇が離れ、噛み付くように首筋に吸い付いた。
力が抜けて、立つことがままなくなり、悠くんに身を委ねてぎゅっと抱き着いた。
悠くんだけだよ。全部受け止められるのは。
鎖骨に触れた唇が首筋、輪郭に上がっていき、耳たぶにたどり着いた。
ぬるりとした感覚が耳のラインに沿ってなぞり上げた。
「ん、ゃ……」
全身を走る甘さに戸惑い、涙が浮かび上がってしまう。
「響、声は我慢しなくていいよ」
鼓膜を震わせる悠くんの声に、体が小さく震えた。
「────っ!」
耳たぶをやんわりと甘噛みされた瞬間、頭の中が真っ白に染っていった。
力が完全に入らない私はくったりと悠くんに寄りかかったままでいる。
悠くんはそんな私のシャツのボタンを留めて、緩めたネクタイを締め直してくれた。
恥ずかしい……頬っぺが熱いよ……。
私は悠くんの顔をまともに見ることが出来ずに、目を伏せたままでいた。
「帰ろうか」
「う、うん……」
でも、いざ悠くんが私から離れると寂しいと感じてしまう。
もっと、私に触れてもいいのに……。
でも、それを打ち明けて、悠くんにはしたないと思われるのが怖い。
こんな私は噂と変わりない人間なのではないかと思ってしまう。
悠くんが私が男にだらしないなんて噂を知ったら、きっと鵜呑みにしてしまう。
それが怖くて堪らないの……。