再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
休校の間、私はほとんど部屋にこもっていた。
テレビやインターネットで件の傷害事件を調べて見たけれど、何故か一つと見つからなかった。
ベッドに寝そべったままスマートフォンを操作し、ラインを見てみるけど、相変わらず悠くんから連絡は来ていなかった。
これまでの悠くんなら、私の安否を気にして心配してくれるはずだ。
それがないということは、私のことなんてどうでもよくなったんだと思う。
悠くんと関わらなくなって、私は抜け殻そのものだ。
悠くんが私に注いでくれた温かな愛情は、枯渇している。
会いたい、抱き締めて……って依存症患者のように心から叫んでいる。
桐谷さんの従姉妹さんと、付き合うのかな……。
文化祭で見かけた二人を思い出す。
小柄で、可愛らしいのに、女の私が見てもドキドキするくらい色っぽい大人の魅力があったな……。
のっぽで貧相な私とは大違いだ。
私は悠くんにメッセージをしたため始めた。
《私と別れてください。今までありがとう。悠くんといられて幸せでした。》
休校中の数日間、悩みに悩んだ。
そして決意をして悠くんに別れを告げることにした。
電話だと出てくれない可能性が高いから、ラインのメッセージになってしまった。
文章を送信するまで数分ためらったけど、思い切って紙ヒコーキのマークをタップした。
そのメッセージはいつまで経っても既読が付くことはなかった。
もう私と関わりたくないんだね……。
目の前の視界が歪み、画面に涙が落ちて、濡れた。
私のこと幻滅したとしても、私はこれからもずっと貴方が大好きです……。
私は首にかかったネックレスを取り外し、それをきつく抱き締めた。
いつまでもずっと。