再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません

私の目の前に現れたのは、端整な顔立ちをした青年だった。

明るいミルクティーブラウンのミディアムのパーマがとても良く似合っている。

ホストみたい……。

失礼ながらそんな印象を受けていた。


「どなたでしょうか……」


どうして私を知っているの? 会ったことがあるのかな。

彼は初めて見かける人で、大人の男の人ということもあり、少し恐怖を感じた。


私は次の言葉を彼にどうかければいいか分からず、臆していると、彼はフランクな調子で私に話しかけた。


「俺は川端(かわばた)ってもんです。北川の一応……ツレかな」


久しぶりに聞いた苗字に、ぎゅうっと胸の中が締め付けられる。


「悠くんのお友達が、私に何かご用ですか?」


悠くんのお友達と頭では理解していても、異性に恐怖を抱いてしまう私は、後ずさって数歩分の距離を取ってしまう。

慇懃無礼に接する私はさぞや感じが悪いやつだろう。

だけど、川端さんは私の態度を見ても、本心は分からないけど、不快な感情を表に出すことはなかった。


「響ちゃんに北川の状況を伝えに来たんだ」


新しい彼女が出来たとか……? そんなの知りたくないよっ。


「私には関係ありません……悠くんにお別れを告げましたから……」


もう、私は元カノになったの。

今の悠くんを知る必要はない。

だから、私のことは放っておいてください。

そんな思いで淡々と告げると、川端さんはぎょっと目を見張った。
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