再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「響ちゃん……それマジ?」


川端さんは酷く驚いて、動揺しているように見えた。


「はい。ラインで……既読すら付いていませんが」


ごめんなさい。これ以上川端さんと話すことはありません。


私は「失礼します」と言って川端さんの横を通り過ぎようとしたけど、川端さんに手を掴まれて立ち去ることが出来なくなってしまった。

早く、私を解放してよ……。

無言で訴えるように見つめると、川端さんは私の目線を合わせて、言い聞かせるように口を開いた。


「何が起こったのかは知らないけど、あいつが響ちゃんに幻滅するなんてありえないから」

「な、何を根拠に……」

「ここじゃ話が出来ないから、俺の店に来て」

「ちょっと……」


川端さんは手を離すことなく、私を強引にどこかへ連れて行こうとした。



近くの駐車場で停めていた車に乗せられて、たどり着いた先は雑居ビルの地下にあるバーだった。


「あの、私、未成年……」


まだ未成年の私に縁のない場所だ。

まだ制服姿だし、飲酒するつもりがなくても入るのはまずい。


「定休日だから大丈夫だよ」


そういう問題なんだろうか。


川端さんがドアを開けて入るようにジェスチャーをするから、私はおずおずとバーの中へ足を踏み入れた。


店内は六人がけのカウンター席と四人がけのテーブル席が二つある。

照明がアンティーク調で落ち着いた雰囲気のあるお店だった。
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