再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「──響ちゃん、」
ぽんと置かれた手に、響は、はっと現実に戻った。
いつの間にか川端さんと瑞穂さんが戻って来た。
コーヒーショップの紙袋を手にした瑞穂さんが、私にに微笑みかけていた。
「メニュー勝手に決めてごめんね。カフェラテとキャラメルラテどっちがいい? 中にあるブラックは川端さんの分だよ」
「えーと……」
私が選んでいいのかな? 瑞穂さんは何が好きなのか分からないからどれを取ればいいのか難しい。
「響ちゃんって甘党だったっけ? こっちにする?」
優柔不断な私に気遣うように、瑞穂さんは私にキャラメルラテの入ったカップを渡してくれた。
「ありがとうございます……」
病室を抜けると、フロア内にテーブルと椅子が設置された簡易なカフェテリアがある。
三人で四人がけのテーブル席に座って、温かい飲み物を飲見始めた。
「響ちゃんってどこの大学に通っているの?」
「私、高校一年です」
「へ? 同い年か一つ下だと思ってたよ」
「よく上に見られます……」
意外そうに目を丸くする瑞穂さんに、私はへらりと笑ってお茶を濁した。
見た目は大人っぽいとかよく言われていたけど、実際の精神年齢は年相応かそれ以下だ。
実際、悠くんに甘えっぱなしで支えられてばかりだったし……。