再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
ようやく涙が止まって、私は気恥しさと緊張で強ばったまま悠くんを見つめていた。
悠くんに一つ話がしたいことがあり、おどおどながら切り出し始めた。
「あのね、話があるの……」
「急にどうしたの?」
口をきゅっと結んだまま無言を貫いていたけど、意を決してその重い口を開いた。
「私……」
この話をしたら悠くんはどう反応するんだろう。
「一方的に悠くんとお別れしようとした……」
これ幸いに私の別れを受け入れるのかな……。
最後まで話を聞かずに「分かった」なんてあっさり受け入れられたら、絶対泣いてしまいそう。
心臓が飛び出そうなほどの緊張のあまり、私は両手でスカートを握りしめていた。
「はい?」
耳に届いた冷淡な声だった。
聞き慣れない声に私は思わず肩が大きく揺れた。
「ひえっ」なんて変な声がもれそうになったけど、無事に心の中に留まった。
悠くんは眉を寄せ、鋭い眼差しを私に向けている。
その反応は私の予想とは大きく外れたもので、初めて見る不機嫌を露わにさせた表情にひゅっと息を呑む私がいた。
優しい人ほど怒ると怖いなんてよく聞くけど、悠くんは見事にそのタイプに当てはまっていた。
正直、怖いです……。
「私は、悠くんの傍からいなくなった方がいいって思って、ラインに送ったの……」
怯えを隠せず、窺うように見つめながら述べると、悠くんはベッドの傍にある机に置かれたスマートフォンを手に取った。
きっと、私のメッセージを見ている。
スマートフォンに向けている時は、無表情になっていたけど、徐々に冷ややかさが加わっていった。