再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
放課後になり、私はそわそわさせながら電車内の吊革に掴まって立っていた。
やっと、私の家の最寄りが過ぎて残り二駅になったけど、着くまでの時間が長く感じた。
そして、ようやくたどり着くと、真っ先に電車から降りていく。
改札を抜けた時、悠くんの姿を捉えた。
体は勝手に動き出し、駆け出していた。
「待たせてごめんね」
「さっき来たばかりだから、そんなに待ってないよ」
待ち合わせで悠くんより先に着いた試しがない。
どちらともなく恋人繋ぎをして、とりとめのない話をしながら悠くんのお家へ向かった。
もう二度と手を繋いだり、言葉を交わす日は来ないと思っていた。
私は胸がいっぱいになってしまい、目がじーんと熱くなって涙が出そうになっていた。
リビングに足を踏み入れると、室内はエアコンで暖まっていた。
冷えた体に血が通い始め、生き返る心地がする。
「悠くん、ちょっとお願いがあるの」
「どうしたの?」
私はおもむろにリュックサックの中を探り、例の三通の封筒を取り出した。
「今朝、靴箱にこの手紙が入っていたの。なんて書かれているか怖くてまだ開けてないんだ……代わりに見て欲しい……」
そう言って悠くんに差し出すと。
「いいよ」
快く引き受けてくれた。
早速、ペーパーナイフを使って開封をすると、中には便箋が入っていた。
悠くんは私に見えないように気遣いながら中身を読んでいた。
なんて、書いてあったんだろう……。
緊張で手に汗を握っている私がいた。