再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「悠くんに会えない間、寂しくて死にそうだった。またこうやっていられて幸せなの」
手を伸ばし、悠くんの両頬を包み込む。
まぶたを閉ざした悠くんに、私は触れるだけのキスを悠くの唇に落とした。
私からしたのは初めてで、我ながら大胆なことをしたと思う。
悠くんは私からのキスに驚いたのか、瞠目したまま固まっている。
頬が一気に熱くなり、鏡を見なくても顔が赤いことは明白だった。
「やっぱり……」
「……飽きるまでの間なんて無理。私じゃない人とこういうことするの嫌。ずっと私の傍にいて」
以前、飽きるまででいいから傍にいてと悠くんに告げたことがあった。
でも、仮に私に飽きた日が来たとして、悠くんが他の人と一緒になる未来を想像したら、胸が痛くて息苦しくなる。
後にも先にもそんな日は来て欲しくないの。
「私の気持ちって、重いよね……」
桐谷さんの言う通り、私は重い人間なんだ。
取り繕うようにら笑って見せたけど、心の中を占める憂いを隠すことは出来なかった。
「周りから見たらそう思うかもね」
耳に届いた言葉に、私は限界まで目を見張らせた。
何だかんだ言って、悠くんが「そんなことはないよ」と言ってくれることを、浅ましくも期待していた。
やっぱり周知の事実なんだ……。
「ごめんね……やっぱり、私は────」
“悠くんの彼女を辞めた方がいい?”という疑問は、口から零れることはなかった。
「だけど、俺はその重さが心地良いよ」
私にそう囁いてくれたから……。