再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「……いいの?」
こんな私でもいいの?
「響の気持ちはどんなものでも嬉しいよ……だから隠そうとしないでね?」
「うん……」
悠くんは私の髪に優しく口付けを落としていった。
「こんな私を受け止めてくれる人は、どこ探しても悠くんしかいないよ」
「響が思っているより、俺も響が狂いそうなくらい好きだよ」
狂いそう、だなんて物騒な表現だけど、不思議と怖いとは思わなかった。
「私も……どんな悠くんでも大好きだよ」
好きの気持ちが私と同じくらいの大きさだったら、嬉しいな……。
思えば、私は沢山悠くんに隠し事をしていた。
手を汚さずにいじめをしたという冤罪や、尾びれがついたデタラメな噂、学校で爪弾きされていたこと。
悠くんに嫌われたくなくて、惨めな私を知られたくなくて、それを隠して偽っていた。
隠そうとしないでの一言に後押しされて、私は悠くんに伝えたくなった。
「悠くん、」
私が呼びかけると、悠くんは私に視線をよこした。
「覚えてないかもしれないけど、私達、ずっと前に会っていたの……」
悠くんは驚いたのか瞠目させていた。
「悠くんが落とした定期入れを拾って届けたの。拾ってくれたお礼にって可愛いキーホルダーを私にくれたよ。通学途中の駅のホームで落ち合って、少しお話もしたんだよ?」
一度、由加の前で記憶を失くした振りをしたことがあったけど、片時も忘れたことはなかった。