再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
ほんの一欠片でも当時の私を覚えていてくれたらいいのに……。
「本当はあの頃からずっと、悠くんが好きだった……」
私の吐露は、すっかり涙声に変わっていた。
いつの間にか涙が滲んでいたみたい。
他校の女の子に絡まれて助けてくれた時よりずっと前から、思いを寄せていたなんて驚いたでしょ?
当時、環お姉さまと付き合っていても、悠くんを好きでいることを辞められなかったよ。
私は滲んだ涙をそのままに、悠くんを見つめていた。
すると、悠くんは突然唇を重ね合わせてきた。
「悠、くん……んっ」
舌が入り込んできて、深くなっていく。
「待っ、て」
久し振りの深いキスに、私は動揺を隠せなかった。
心の準備をさせてください……っ。
息絶え絶えになりながら訴えかけるけど、悠くんが辞めようとすることは一切なかった。
「無理。抑えられない」
低く吐き捨てると、また私の唇を深く塞いだ。
さっき食べたガトーショコラの味がして、砂糖を入れ過ぎた? と錯覚してしまうほど甘過ぎた。
いつの間にか視界に天井が入り、ソファーに押し倒されていることに気付いた。
悠くんは誕生日の夜に見た熱のこもった眼差しを私に向けていた。
そんな目で見られると、全身が熱くなってしまう。
私はこれからも何をしようとするのか分からず、不安を隠し切れなかった。
「俺が教えてあげるよ」
悠くんは私の心境を察したかのように、優しく微笑みかけた。まるで慈悲深い天使のようだ。
悠くんが私に何をするのか分からない。
でも、私は拒否しようという考えは一切なかった。
悠くんなら私に酷いことは絶対しない……私は悠くんに対して絶対的な信頼感を抱いていた。