再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
《おまけにちょっと古臭い》
《いえ、素敵な名前だと思いますよっ》
私は、す、好きだよ……っ。なんて、本人には言えないけどね。
当の本人がきらきらしているから、古風な名前がしっくり来るというか、より魅力的に感じると私は思う。
いつか、名前で呼び合えるくらい親しくなれる日がくるといいな……。
午後九時半。
私はだんだん眠気に襲われて、あくびを何度もしていた。
《笹山さん、眠くない?》
《少しだけ……》
以前、九時過ぎに寝落ちしてしまったことがあり、九時を過ぎると北川さんはそうやって聞いてくれる。
もう少しやり取りをしていたいけど、基本早寝の私は眠気に抗えなくなっていた。
《この辺にしよっか。また明日ね》
《おやすみなさい》
《おやすみ、笹山さん》
今日一日のやり取りを終えて、私はスマートフォンを充電器に繋げた後、ベッドに潜り込む。
満たされたような幸せな余韻が残っている。
余程眠たかったのか、すぐに夢の世界に旅立った。