再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
対する私は一六七センチ、少し目尻が上がった瞳、パーマがかからない真っ直ぐな黒髪のショートボブ。

実年齢より少し上に見られ、気が強い、もしくは冷たい性格と思われがちだ。

恋愛小説に例えるなら、私はヒロインの恋路を邪魔するライバルだ。

噂上の私は邪魔どころか略奪しているけど。

本当の私は、他の男子(ひと)なんか微塵も興味がないのに……。



放課後、甘いものを食べに行こうかな……。

私は現実逃避を始め、頭の中で放課後の計画を立てていた。

甘いものは大好き。

食べるもの、作るのも。

孤立する前の中学時代は、よく作ってはクラスメイトと食べていたり、放課後、一緒にカフェに寄ってお喋りをしながらスイーツを堪能した。

今はすっかりおひとり様も慣れてしまった。
カフェに限るけれどね。

せめてだれかと共有したくて、青い鳥のSNSに撮ったスイーツの画像を投稿している。

作ったお菓子も投稿すると、ありがたいことにいいねや「美味しそう」と言ったコメントを頂いたり。


何にしようかなぁ。

フロマージュにしようかな。それともパフェにしようかな。

何を食べようか考えていると、少しだけ憂鬱な気分は消えて楽しさが出てきた。





この時の私は知らなかった。

運命的な出会いを果たすことになるなんて────
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