再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「学校も、家も気が休まらなくて……少しだけ吐き出したくなったんです……頼れるのは北川さんしかいなくて……」


絶望し切った私は手のひらで顔を覆い隠し、静かに嗚咽を零した。


「もう、つかれた……」


無意識に零れた言葉から、私は限界に達していたんだと自覚した。

いつか解決すると信じ続けることに、この現状に耐え続けることに疲れ切ってしまった。

どこへ行けばいいのか分からない。それでもどこか遠くへ逃げ出してしまいたい。

そんな思いが私の心を占めていた。


俯いてさめざめと泣いていた時、後ろから温かいものに包まれた。

北川さんの腕が私の肩に回っている。

壊れ物に触れるように抱き締められていた。


「ずっと一人で抱えて、辛かったね」

「うっ、うう……っ」


ずっと、苦しかった。

「助けて」って誰かに縋りたかった。

私にまとわりつく噂のせいで、幻滅されて離れられると思うと頼ることが出来なかった。


「もう一人で耐えることはないから」


北川さんの大きな手が私の髪に触れた瞬間、涙腺が完全に崩壊した。

弱々しいものだった私の嗚咽は大きくなっていき、小さな子どものように泣きじゃくった。





……ねえ、ほんの少しだけ、あなたに寄りかかってもいいですか?
< 39 / 182 >

この作品をシェア

pagetop