再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
憂鬱な授業を終えて、待ちに待った放課後がやって来た。

部活動に入っていない。

保健委員会に入っていて、時々集まりや活動に参加するくらい。

爪弾きされている私は、どこにいたって針のむしろに座らされるんだから。

学校を出て、久し振りにお気に入りのカフェを目指すことに決めた。

担任の先生に捕まると、雑用を押し付け……頼まれるので、目立たないようにそそくさと教室を後にした。



目当てのカフェは、学校と自宅の中間に位置している。

学校の最寄り駅から二つ目の駅から降りて、十分程歩く。

スイーツは後でゆっくり決めるとして、飲み物は冷たい紅茶? 甘いカフェラテ? ハーブティーもいいな。

そんなことを考えながらわくわくしながら歩いていた時だった。



「ねえ、あんたが笹山響?」


誰?

私に近寄り声を掛けてきたのは、知らない三人の他校の女の子だった。

自分が通う誠稜(せいりょう)高校では見られない膝上二十センチほどの短いスカートを履いてる。

シャツはガッツリ開いていて目のやり場に困ってしまう。

声を掛けた一人の女の子は、眉を寄せて私に睨み付けている。

「黙ってないで返事しなよ!」

立ち尽くす私に苛立ったのか、声を荒らげる。

「そう、です……」

慌てて頷くと、彼女達は「着いてきて」と言って私をどこかへ連れて行った。
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