再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
恒例となりつつあった朝の電車でのお喋り。
あたしは文化祭の招待状を持っていた。
百合ヶ丘の文化祭は招待状がないと敷地内に入れない仕様になっている。
だから、それを北川さんに渡したい。
よし、聞いてみよう……!
「あの、来月に文化祭があって……招待状はもらっていますか? よかったら……」
「ごめんね。友達から貰ったんだ」
先越されちゃった……。
眉を下げて申し訳なさそうにしている。
もう少し早め声をかければと後悔した。
「でも、来られるんですねっ。あたしのクラスはたこせんを売ります! よかったら売り上げに貢献してくださいっ」
あたしは残念な気持ちを隠すように、おどけてみせた。
「うん、寄らせてもらうね」
あたしは北川さんが来ると思うと、文化祭が楽しみになっていった。
あたしが降り駅まであと一駅のところだった。
突然、けたたましいブレーキ音がつんざく。信号による急停止かもしれない。
電車は激しく揺れて、あたしはバランスを崩してしまった。
必死に踏ん張って見たけれど、隣の北川さんの方へダイブしてしまった。
「ご、ごめんなさい……」
北川さんは倒れそうなあたしを受け止めてくれた。
こんなに密着したのは初めてで、あたしの鼓動は絶えず暴れ続けている。
細身に見えてがっしりとしている。
そういえば、この間、中学からバレーボールを続けていると教えてくれたな。
綺麗な顔をしているけど、男の人なんだと改めて思い知らされた。
あたしの鼓動が北川さんにバレませんように……。
「怪我はない?」
「っ、大丈夫です」
うう、恥ずかしくて北川さんの顔が見れないよ……。
なんて話しかければいいかわからず、あたしは降りる駅まで無言だった。
降りる時に「さようなら」と言ったくらいだ。
ずっと体は熱くて、顔は真っ赤になっているかもしれない。
あたしは文化祭の招待状を持っていた。
百合ヶ丘の文化祭は招待状がないと敷地内に入れない仕様になっている。
だから、それを北川さんに渡したい。
よし、聞いてみよう……!
「あの、来月に文化祭があって……招待状はもらっていますか? よかったら……」
「ごめんね。友達から貰ったんだ」
先越されちゃった……。
眉を下げて申し訳なさそうにしている。
もう少し早め声をかければと後悔した。
「でも、来られるんですねっ。あたしのクラスはたこせんを売ります! よかったら売り上げに貢献してくださいっ」
あたしは残念な気持ちを隠すように、おどけてみせた。
「うん、寄らせてもらうね」
あたしは北川さんが来ると思うと、文化祭が楽しみになっていった。
あたしが降り駅まであと一駅のところだった。
突然、けたたましいブレーキ音がつんざく。信号による急停止かもしれない。
電車は激しく揺れて、あたしはバランスを崩してしまった。
必死に踏ん張って見たけれど、隣の北川さんの方へダイブしてしまった。
「ご、ごめんなさい……」
北川さんは倒れそうなあたしを受け止めてくれた。
こんなに密着したのは初めてで、あたしの鼓動は絶えず暴れ続けている。
細身に見えてがっしりとしている。
そういえば、この間、中学からバレーボールを続けていると教えてくれたな。
綺麗な顔をしているけど、男の人なんだと改めて思い知らされた。
あたしの鼓動が北川さんにバレませんように……。
「怪我はない?」
「っ、大丈夫です」
うう、恥ずかしくて北川さんの顔が見れないよ……。
なんて話しかければいいかわからず、あたしは降りる駅まで無言だった。
降りる時に「さようなら」と言ったくらいだ。
ずっと体は熱くて、顔は真っ赤になっているかもしれない。