再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
夜に完成したマカロンをスマートフォンで撮影し、悠くんにラインで送ってみた。


《マカロン作ってみたよ》


撮った画像も添えると、程なくして既読が付いた。


《美味しそうだね。お店で売ってるみたい》

《そんなことないよっ。レモン風味だからさっぱりしてるよ》
《明日渡したいけど、会える?》


この文章を送信するのに時間がかかってしまった。

お菓子を渡すとかこつけて、悠くんに会いたいだけなの。

渡すだけのほんの数分でもいいけど、直接会ってお話したいな……。

私は悠くんがどう返事をするかそわそわしながら、スマートフォンの画面を見つめていたけど。


《ごめんね。明日いとこと会う予定なんだ》


既に先約があって、私は少し残念に思ってしまった。

でも、急に言い出した私が悪いんです。

悠くんのいういとこは、きっと結婚したという同い年の従姉妹さんだと思う。

式の時の写真を見せてもらったけど、悠くんの親戚とだけあってすごく綺麗な人だった。

髪色と瞳の色が悠くんと同じで、儚げな印象を受ける絶世の美女って感じ。


《また別の機会に作るね》

《ありがとう。楽しみにしてるね》


明日は暇になってしまった。

夏休みの課題は終わらせてしまったので、やることはあまりない。

そうは言っても家でだらだらするのは、時間がもったいない。


「夏だし、かき氷のお店に寄ってみようかなー」


私はスマートフォンでかき氷のお店を検索し始めた。


京都に本店がある和風カフェをみつけ、明日の昼に行ってみようと決めた。
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