再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
私はスマートフォンから青い鳥のSNSアプリを立ち上げた。

愚痴を呟くための裏アカウントに思いの丈をぶつけていく。
 
 “ストーカー行為は無くなったのに、私は嘘をついてあの人に甘えている。善意を利用している私は最低だね”
 
泣く権利はないと頭では理解している。

それでも目に大粒の雫が溜まり、頬を伝っていた。

もう自分では止められない。

 
「解放してあげられなくて、ごめんね……もう少し近くに居させて欲しいの……あと少しだけ悠くんを独り占めすることを、許して……」


本人に届かない謝罪を、肩を震わせてしゃくりあげながら呟いた。
 

はらはらと涙を零しながら、私は決心を固めた。
 
縁日の日、悠くんに告白して振られよう。

仮の恋人関係は解消するの。

再会する前のひとりぼっちに戻るだけだよ。

スマートフォンのスケジュールアプリを覗くと、縁日の日まで十日を切っていた。

一緒にいられるのあと少しなんだ……。

切なさと寂しさが胸を締め付けさせる。

緩みっぱなしの涙腺が更に刺激され、次から次へと雫が滴り落ちていった。

私はベッドに横たわり、さめざめと泣き続けた。

その小さな嗚咽は眠りに落ちるまで零れ続けていた。
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