再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
「私で良ければ……お願いします……っ」
私より素敵な人はごまんといる。
それでも、悠くんを好きな気持ちは誰にも負けたくはないの。
「響が好きだよ」
私の応えに破顔した悠くんは、前触れもなく私のあごを手に取り、唇を重ね合わせた。
蜜を塗った訳じゃないのに、とても甘ったるいキスだった。
漫画や小説で見かける甘いキスの意味を、たった今知ってしまった。
もっと“好き”がいっぱいになってしまうよ。
ぼんやりと見つめていると、悠くんはまた私に口付けをした。
触れるだけのものは、やがてついばむようなものに変わって、何度も繰り返していく。
息苦しいっ……そんなにされると、本当に心肺停止しそうだよ……っ。
呼吸もままならないというのに、絶えず胸がきゅんと高鳴り続ける。
「あ……っ」
体から力が抜け落ちてしまい、砂利に膝をついてしまいそうになっていた。
だけど、すんでで悠くんが抱き留めてくれた。
悠くんの腕の中で酸素を求めて荒い呼吸を繰り返す私に、悠くんはくすりと笑みを零した。
「かわいい。キスで腰抜かしちゃった?」
「っ、悠くんが、沢山するからだよ。私、初めてなのに……」
悠くんの笑みがやたら甘くて、私は直視出来なくなってしまった。
「響、もう一回聞かせて。今度は俺の瞳めをちゃんと見て」
「好き……悠くんが、好き……大好きなの……」
何度でも伝えるよ。
たとえ、悠くんが私に飽きてしまったとしても、好きな気持ちは消えることはないの。
悠くんの目を真っ直ぐ見つめると、いきなり私をきつく抱き締めた。
「俺も響が誰よりも大好きだよ」
髪に落とされた口付け共に囁いた言葉に、私はいっそう悠くんに溺れてしまった。