再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません
おうちデート

縁日から数日が経った。

朝に目覚めてすぐにスマートフォンを操作し、アルバムの中の画像を表示させる。

悠くんと私が浴衣姿で並んで笑顔で写っている。

私は泣いたから目が少し赤いけど。

縁日の日、帰る前に私からお願いしてツーショットを撮らせてくれた。

ずっと好きだった人と両思いになって付き合えるなんて、夢みたいだ。

まだ日にちは経っていないけど、本当の彼氏彼女になってから毎日のラインのやり取りはもちろんのこと、毎晩電話をしている。

朝起きると、全部私の夢だったのでは……と不安になってしまうけど。

ツーショットの画像を見てようやく現実に起きたことなんだと実感出来た。



「……えへ」 


きっと今の私はすごく笑顔なんだと思う。

なぜなら今日は悠くんに会える日だからっ。

更にはお家にお呼ばれされて、人生で初めての彼氏の自宅訪問になります……っ。



お昼すぎに迎えに来てくれる予定になっている。

本当は悠くんの家の最寄り駅まで自分で向かうつもりだったけど、「暑いし、響を一人で歩かせたくない」と言って聞かなかった。

ストーカー問題は解決したから大丈夫なのに、それでも悠くんの意志は固かった。

まだ時間に余裕はあるけど、うかうかしてられない。

私はベッドから降りて、シャワーを浴びに浴室へ向かうことにした。
< 89 / 182 >

この作品をシェア

pagetop