性別のない幽霊くん。
われは、病院から出た。
またあてもなく歩いて行く、そして川沿いに来た。そろそろ昼になる、人間の寿命が縮まる、われは、大切なときに人間の側にいてやらないだめな幽霊だ。
でも、われも辛いのだ、苦しいのだ、本当に辛くて苦しいのは人間だ、でも、大切な人を失うかもしれないというわれも辛いのだ。
「どうすればいいのだ…」そんなことが頭をぐるぐると回る、われはそのまま眠ってしまった。



何時間寝ただろう、空は藍色になっていた。星がキラリと輝いている、われは病院へ戻った。
< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop