僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
言われてみれば、今日は二月十四日の金曜日で、この甘い香りもそう思ってみれば――
「チョコ?」
僕が呆然とつぶやくと、葵咲ちゃんが眉根を寄せて僕を見上げた。
「もう、何でそんなに鈍いのっ!」
このところ、連日遅かったのも、女友達数名と料理教室でバレンタイン向けのお菓子作りを習っていたからで……。一度習っただけでうまく出来る自信がなかったから、みんなで友人宅に集まって、順番に作りあいっこしては試食していたからよ?と葵咲ちゃんが告白してくれる。
「料理教室……? 作りあいっこ……? 試食……? マジかよ。僕はてっきり……」
僕が彼女のセリフからキーワードを抜粋するように復唱したのちに続けようとした言葉を、葵咲ちゃんが敏感に察知して頬を膨らませる。
「てっきりなぁに? 私が浮気してたとでも思ってたの?」
アーモンドアイの葵咲ちゃんに射竦められて、僕は素直に「ごめんなさい」と謝った。
浮気をしているとまでは思っていなかったんだ。けどね、僕を放って、どこで、誰と、何をしているんだよ?って拗ねてました。
素直にそう告白したら、葵咲ちゃんに、キッと睨み付けられた。
「チョコ?」
僕が呆然とつぶやくと、葵咲ちゃんが眉根を寄せて僕を見上げた。
「もう、何でそんなに鈍いのっ!」
このところ、連日遅かったのも、女友達数名と料理教室でバレンタイン向けのお菓子作りを習っていたからで……。一度習っただけでうまく出来る自信がなかったから、みんなで友人宅に集まって、順番に作りあいっこしては試食していたからよ?と葵咲ちゃんが告白してくれる。
「料理教室……? 作りあいっこ……? 試食……? マジかよ。僕はてっきり……」
僕が彼女のセリフからキーワードを抜粋するように復唱したのちに続けようとした言葉を、葵咲ちゃんが敏感に察知して頬を膨らませる。
「てっきりなぁに? 私が浮気してたとでも思ってたの?」
アーモンドアイの葵咲ちゃんに射竦められて、僕は素直に「ごめんなさい」と謝った。
浮気をしているとまでは思っていなかったんだ。けどね、僕を放って、どこで、誰と、何をしているんだよ?って拗ねてました。
素直にそう告白したら、葵咲ちゃんに、キッと睨み付けられた。