僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
本文
(わ、このぬいぐるみ。何だか雰囲気が理人っぽい)
家の近くにオープンした雑貨屋に並んだ、色んな動物を擬人化したような、大小様々な可愛いぬいぐるみたち。
その中のひとつ。
ペンギンのちょっぴり大きめなぬいぐるみが、何だか大好きな理人に見えてしまって、葵咲は思わず足を止めた。
抱き枕さながらの大きさをしたそのぬいぐるみを両手で抱え上げてみると、まるでスーツでも着ているみたいな柄。一丁前に、胸元には燕脂でネクタイみたいな模様まで描かれている。
その子は、何故か別布で作られた青いエプロンをかけていて、手には小さな本を持っていた。
その有り様が、いつもスーツ姿にしっかりネクタイまで結んで、時にそれが汚れないようエプロンを付けて大学図書館館長という仕事をしている恋人の姿と重なって、葵咲はキュンとしたのだ。
ペンギンが本を手にしているところも、司書を生業にしている彼とダブって。
(やだっ。めちゃくちゃ可愛い! お家に連れ帰りたい!)
そう思った時には、葵咲のつま先は、足早にレジへと方向転換をしていた。
家の近くにオープンした雑貨屋に並んだ、色んな動物を擬人化したような、大小様々な可愛いぬいぐるみたち。
その中のひとつ。
ペンギンのちょっぴり大きめなぬいぐるみが、何だか大好きな理人に見えてしまって、葵咲は思わず足を止めた。
抱き枕さながらの大きさをしたそのぬいぐるみを両手で抱え上げてみると、まるでスーツでも着ているみたいな柄。一丁前に、胸元には燕脂でネクタイみたいな模様まで描かれている。
その子は、何故か別布で作られた青いエプロンをかけていて、手には小さな本を持っていた。
その有り様が、いつもスーツ姿にしっかりネクタイまで結んで、時にそれが汚れないようエプロンを付けて大学図書館館長という仕事をしている恋人の姿と重なって、葵咲はキュンとしたのだ。
ペンギンが本を手にしているところも、司書を生業にしている彼とダブって。
(やだっ。めちゃくちゃ可愛い! お家に連れ帰りたい!)
そう思った時には、葵咲のつま先は、足早にレジへと方向転換をしていた。