僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
誤解です!
「……理人。もしこれ以上ゴネるんなら……私、実家に帰らせてもらうんだからね?」
言ってふいっと寝室に背を向けてリビングの方へ歩き出す。
「待って、葵咲ちゃん!」
ついうっかり、なんだろうけれど……理人が余裕のない時に私を呼び捨てできなくなることは知っている。
それが思わず出てしまうのってかなり動揺してるってことだよね?
そう思うと嬉しくてたまらないのに……。
表向き、今の私は理人に怒ってるから、振り向いてやらないの。
そうしたら、すぐに後ろから包み込むようにギュッて抱きしめられて……正直私、すごくホッとして――。
理人はこうでなくっちゃ、って思ってしまう。
私から誘わないと乗ってこないなんて理人らしくないけど、でも……この感じからすると彼自身かなり我慢して寝室の隅っこに隠れていたんじゃないかなって思ったの。
……何が理人をこんなに躊躇わせていたの?
背中に感じる理人の熱はいつも通りそんなに熱くは感じられないし、私に回された腕が剥き出しなのだって、夏なんだからって考えたら別におかしくはない。
エアコンがきいていない部屋で、こんな風に強く抱きしめられるのは正直暑くてしんどいなって思うけれど、さっきみたいに避けられるよりはよっぽど良いって思ってしまって。
言ってふいっと寝室に背を向けてリビングの方へ歩き出す。
「待って、葵咲ちゃん!」
ついうっかり、なんだろうけれど……理人が余裕のない時に私を呼び捨てできなくなることは知っている。
それが思わず出てしまうのってかなり動揺してるってことだよね?
そう思うと嬉しくてたまらないのに……。
表向き、今の私は理人に怒ってるから、振り向いてやらないの。
そうしたら、すぐに後ろから包み込むようにギュッて抱きしめられて……正直私、すごくホッとして――。
理人はこうでなくっちゃ、って思ってしまう。
私から誘わないと乗ってこないなんて理人らしくないけど、でも……この感じからすると彼自身かなり我慢して寝室の隅っこに隠れていたんじゃないかなって思ったの。
……何が理人をこんなに躊躇わせていたの?
背中に感じる理人の熱はいつも通りそんなに熱くは感じられないし、私に回された腕が剥き出しなのだって、夏なんだからって考えたら別におかしくはない。
エアコンがきいていない部屋で、こんな風に強く抱きしめられるのは正直暑くてしんどいなって思うけれど、さっきみたいに避けられるよりはよっぽど良いって思ってしまって。