僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「ほら、早く行かないと新幹線、乗り遅れちゃうよ?」
放っておいたらいつまでもセレを撫でていそうに見えて、葵咲が足元にしゃがみ込んだままの理人の頭にそっと触れてそう言ったら、その手をギュッと握られてしまう。
「もういっそ、乗り遅れてしまいたいんだけどっ」
うつむいたままそんな馬鹿なことを言う理人に、葵咲は思わず吹き出した。
「もぉ、いつまでも駄々こねないの! 私が大好きな理人はちゃんとお仕事がこなせる大人の男性なんだけどな?」
そう言えば、理人が動かざるを得なくなると分かっていて、葵咲は敢えてけしかける様に「大好き」を理人が立ち上がるための起爆剤にした。
放っておいたらいつまでもセレを撫でていそうに見えて、葵咲が足元にしゃがみ込んだままの理人の頭にそっと触れてそう言ったら、その手をギュッと握られてしまう。
「もういっそ、乗り遅れてしまいたいんだけどっ」
うつむいたままそんな馬鹿なことを言う理人に、葵咲は思わず吹き出した。
「もぉ、いつまでも駄々こねないの! 私が大好きな理人はちゃんとお仕事がこなせる大人の男性なんだけどな?」
そう言えば、理人が動かざるを得なくなると分かっていて、葵咲は敢えてけしかける様に「大好き」を理人が立ち上がるための起爆剤にした。