【クリスマス短編②】想いを伝えるための聖なる夜


 だけど俺は、そんな萌衣の全部を好きなんだ。
そんな萌衣の泣き顔も、全部全部俺のものにしたい。

「萌衣、俺ならお前を泣かせたりしない。ずっとお前を守るし、ずっとそばにいる。……だから俺以外の男を、見るな」

「どうして……。どうしてそこまで……?」

 そう聞かれると難しい。 だけど、俺の気持ちはずっと変わらない。
 これからだって、ずっとずっと変わらないんだ。
萌衣のことだけを見てる。

「いつからなんて分からない。……気付いたらいつのまにか、萌衣のことばかりを考えるようになってたんだ」

「……ずっと気付けなくて、ごめん」

 謝って欲しいわけじゃない。 だけどいつだって俺は、萌衣が笑ってくれることだけを願っている。
 
「萌衣が好きだ。だからこれからは、俺のことだけ見ていてほしい。……俺のことだけ、好きになってほしい」

 真剣なその眼差しを萌衣に向けると、萌衣は瞳を潤ませて俺を見た。

「結城……」

「俺は萌衣のこと、離したくない。ずっとずっと、萌衣のこと好きでいる自信がある」

 そう萌衣に告げた後、萌衣は俺に微笑みを向け「……うん」とうなずいた。
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