わたしたちはどこまでも 未熟だった
わたし
久しぶりに帰る実家は
安心感ではなく孤独感の増す家になっている。
わたしは高校を卒業するまで
この家に住んでいた。
小学3年生のときに引越してから9年間。
ここで過ごした8年間
わたしたちの『家族』は
みるみる形を変えていった。
綺麗にコンクリートで固められた駐車場も
割れて剥がれ砕けている。
芝生で生い茂った庭も
花も今はもうない。
へばりつくような土があらわになっている。
父と母がそこにいるはずなのに
誰も住んでいないかのような静かさ。