敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
「シンデレラ?」


目の前にいるのは、すらっとした背の高い美男子だ。

前髪は長めだがサラサラの黒い髪は清潔感が漂っていて、好印象。

アーモンド形の大きな目はうらやましいほどぱっちりとしていて、鼻筋も通っている。

思わずまじまじと観察してしまうような素敵な男性だった。


「そう。全力疾走のシンデレラ、幸運の女神は来た?」
「あっ、あのメモの?」


脱げたパンプスにメモを入れておいてくれた人?

彼は肯定しないものの、笑っている。
おそらく間違いない。


「あのメッセージ、すごくうれしかったです。もっと上品にしなさいと叱られたんですけど、あれを見たら元気が出ました。って、見てたんですね」


全力疾走と言うからには、なりふり構わず走っていたところを、いやもしかしたらパンプスが脱げた瞬間を目撃したのだろう。


「バッチリ。戻って履くのかと思いきや、もう片方も脱いで走るとは意外だった」


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