敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
「すごい? そう。ありがと」
「ラインですか? ううん、ドック? それともショップ?」


食いつくと、彼は少し驚いた顔をしている。

整備士にも担当がいろいろあり、ラインは着陸後、次の出発までに航空機の点検や整備を行う整備士。

ドックは格納庫で行うわりと大がかりな整備を担当する。

ショップはエンジン等々の部品を取り外し、精密な点検を行う。


「B777(トリプルセブン)のドックかな」
「B777!」


ボーイング777――通称トリプルセブンは、大型の旅客機だ。

最近は減りつつあるが、就航当初はこの飛行機見たさに空港にファンが押し寄せたとか。

私も大好きな飛行機なので、つい声が大きくなった。


「あれ、マニア?」
「どの旅客機も好きなんですけどね」
「ふーん。名前は?」
「逢坂です。逢坂成海」


あっさり答えると、なぜか彼は顔をしかめた。


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