敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
「グランドスタッフの上のほう、厳しいだろ」


素直に大きくうなずいたあとで、しまったと慌てる。


「いえっ、私がうまくできないのがいけないのであって、先輩方は指導してくださっているだけで……」

「が建前。本音は、もう少し優しく教えてくれればいいのに!ってところか」


勝手に心の中を読まないで。
図星を指されて目が泳ぐ。


「逢坂さん、顔に出すぎ」


彼はおかしそうに肩を揺らす。


「もー」
「でもその通りなんだよな。CAもストレス発散を後輩でするなと思うときはある」


「やっぱり?」と言いそうになり、とどまった。

乗客からのクレームを日々浴びる職業ゆえ、ストレスはたまる。

それを私たち後輩で解消してる?と思えるときも多々あるのだ。


「CAさんもよくご存じですか?」


ドック整備士だと、それほど接点はないような。

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