敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
このレストランは落ち着いた雰囲気でリラックスできるし、料理の質のわりにはリーズナブルでかなり気に入っている。

ここには同僚の岸本(きしもと)とは時々来るが、女を連れてきたことはない。

別れたあと、この店に来られなくなるのが嫌だからだ。

それなのに彼女を連れてくる気になったのがどうしてなのか、自分でもよくわからなかった。


どうやら飛行機マニアらしい逢坂さんは、俺がB777のドックだと言うと食いついてきた。

整備に興味があるグランドスタッフに会ったのは初めてだ。


飛行機マニアはキャビンアテンダントにもたくさんいるが、せいぜい機種やその特徴くらいで、整備や構造について興味がある者なんて皆無だ。

彼女はとても珍しい。


「シップの翼ってしなるじゃないですか。あれ、時々心配になっちゃうんですけど大丈夫なんですか?って、大丈夫じゃなかったら飛ばないか」


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