敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
それならば早朝深夜はタクシーだろうな。


「でも体力的にきついので、そろそろ本気で引っ越しを考えないと、と思っているんです」

「それじゃあ、俺の家に住む?」

「は?」


あんぐり口を開ける彼女は、まじまじと俺の顔を見つめる。


「部屋空いてるから使っていいぞ。ちなみに空港から電車で十五分だ」

「十五分……。うらやましい」

「だから住めば?」


もう一度提案すると、彼女はあからさまに眉をひそめる。


「ちょっと、なに言ってるのか理解できません」


彼女との生活は楽しそうだと思ったものの、却下のようだ。
まあ、無理もない。


「グランドスタッフの仕事、きついだろ?」

「そうですね。想像していた何倍かはきついです」


おそらく体力的にだけでなく精神的にもきつい仕事だ。

乗客からのクレームは毎日のように浴びているだろうし。

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